ボルバキアを使った新しいデング熱対策

未曾有の大流行になった広東省のデング熱。

10月下旬から感染者数が減少し始め、広東省衛生和計劃生育委員会が
9月23日から毎日行っていた感染者数の発表は10月31日で終了した。


広東省衛生和計劃生育委員会が発表したデータ(こちら)を利用。

2014年11月3日時点で広東省の感染者数は43010例。
うち広州市35828例(含死亡病例 白雲区3例、越秀区1例、荔湾区1例)、
仏山市3444例(含死亡病例1例)。

追記 <2014年11月3日以降の感染者数> ※最終更新日2014年12月16日

広東省 (死亡) 広州市 (死亡) 仏山市 (死亡) 深圳市 (死亡)
2014年11月3日 43,010 6 35,828 5 3,444 1 364 0
2014年11月10日 44,117 6 36,646 5 3,497 1 395 0
2014年11月17日 44,696 6 37,062 5 3,528 1 414 0
2014年11月24日 44,894 6 37,169 5 3,537 1 430 0
2014年12月1日 45,053 6 37,280 5 3,540 1 442 0
2014年12月8日 45,129 6 37,331 5 3,540 1 447 0
2014年12月15日 45,171 6 37,354 5 3,542 1 450 0

2015-1-17 追記
広州は2014年、蚊の駆除に20億中国元近くを費やした。
南方都市報2015年1月17日の記事(广州去年“打蚊子”花了近2亿)はこちら

さて南方都市報、広州日報にボルバキアという細菌を利用した新しいデング熱対策の記事が載っていた。
ボルバキアは昆虫に感染する(ヒトには感染しない)細菌で、蚊の集団のなかで世代を越えて感染し、
且つ、蚊がデングウイルスを媒介することを抑制する作用があるそうだ。
中山大学とミシガン州立大学の研究センターは来年の春に広州市南沙区沙仔島でボルバキア蚊の試験を行う予定だ。

参考
2014年9月3日のブログ(デング熱)はこちら
2014年9月23日のブログ(デング熱 その後)はこちら
2014年10月7日のブログ(デング熱の感染者数)はこちら

南方都市報2014年11月6日の記事(以蚊治蚊 中大研发阻隔登革热新技术)はこちら
広州日報2014年11月7日の記事(明年试投“益蚊”控制登革热)はこちら

デング熱撲滅プログラム(Eliminate Dengue)はこちら、中国チームのページはこちら
2015-7-26 追記
上記、中国チームのページはなくなっていた。
中山大学-密歇根州立大学热带病虫媒控制联合研究中心のサイトはこちら

nature Japanの記事(デング熱対策にボルバキアを使う)はこちら
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版の記事(デング熱、「刺客」の蚊放ち撲滅へ)はこちら
AFP通信の記事(ブラジルのデング熱対策、「ワクチン接種」の蚊1万匹を放出)はこちら

東京大学のプレスリリース(共生細菌が宿主昆虫の性決定システムを乗っ取り、その退化を招いた)はこちら