兼高かおる世界の旅「香港もう一つの顔」

CSのTBSチャンネルで放送された兼高かおる世界の旅「香港もう一つの顔」(1970年1月11日)を興味深く見た。
※1970年は文化大革命ベトナム戦争の真っ最中。

「香港もう一つの顔」というタイトル通り、買い物・グルメといった観光情報はなかった。
収録された映像を見ながらのセレブな冒険家・兼高かおるさんと当時のおじさん代表(?)・芥川隆行氏の掛け合いは絶妙。
兼高さんは九龍のことを「クーロン」と言っていた。この日本独特の呼び方は一体いつ始まったのだろう?

以下、番組の内容。
※写真は番組ではなく手持ちのもの。

・オープニングは協賛のパンナム機の離発着と世界各地の風景

中環(セントラル)から銅鑼湾(コーズウェイベイ)の景色
昔のヒルトンホテル(今は長江センタービルが建っている場所)から撮ったのではないかと思う。


1969年頃撮影。中環(セントラル)〜湾仔(ワンチャイ)の風景。

ピークトラムの中から撮った中環(セントラル)の景色

・山頂(ヴィクトリア・ピーク)から撮った香港島南部の景色

香港仔(アバディーン)の水上生活者の様子
人を中心に撮っていて、水上レストランの映像は全くない。
※水上生活者については1970年12月20日放送の「スージー・リーの生活」で密着取材をしている。


1972年頃撮影。

・輸送トラックの搬入の様子
食料は中共から入ってきていると言っていた。
招商局碼頭(多分ここ)の建物には“高舉毛泽東思想”(簡体字と繁体字が混ざっている)と書かれていた。
※毛泽東:毛沢東

・中共からの難民のアパートの様子

ビクトリア湾から見た香港島の景色

スターフェリー
降船の様子もあった。

・日本語の看板
当時の日本人観光客は1人10万円くらいつかっていたそうだ。爆買い?

・ネイザンロード

・国境(たぶん羅湖)行きの列車
車体には“毛主席是当代最伟大的马克思列宁主义者”
(毛主席は当代最も偉大なマルクス・レーニン主義者)と書かれていた。

ここまでは軽く流していた。時間を割いて紹介していたのは以下の4カ所。

吉慶圍Kat Hing Wai
元朗の東側にあるレンガの壁に囲まれた客家の村。
村の中まで入り生活の様子を取材していた。


1971年12月頃撮影。

沙田萬佛寺
当時は出来たばかりで像の数は少なかったが、今日の発展への方向性を感じさせられた。


2013年5月1日撮影。番組当時は塔周辺に仏像はなく、塔内部の仏像は金色ではなかった。

ランタウ島の煕篤曾神樂院 (聖母神樂院、トラピスト修道院)
交通手段はチャーター船。当時は海沿いだった上環の西港城(ウエスタンマーケット)前から出発した。
中共から逃れてきた人たちが礼拝に来ていた。
当時は牛を飼い、ミルクを売り収入源にしていた。

・ランタウ島の寶蓮寺
僧侶の様子などを取材していた。

・エンディングはパンナムビルとパンナムの飛行シーン、客室乗務員

兼高かおる世界の旅「香港もう一つの顔」はCSのTBSチャンネル2(有料)で2017年1月15日 午前11:00から再放送される。
なおTBSチャンネルはスカパー!2週間お試し体験(こちら)で見ることができる。

参考
TBSチャンネル『兼高かおる世界の旅』のページはこちら
TBSオンデマンド『兼高かおる世界の旅』の番組リストはこちら(今は販売していない)。